
学び×資格マップ#4:大学サッカーから公務員へ──警察・消防・行政職を目指す大学選び
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高校生の進路サポートをしていると、大学卒業後の進路として、教員やトレーナーに次いで警察官や消防士、市役所職員を考えている高校生が多いと感じる。
実際に大学サッカーから公務員へ進んだ例は少なくなく、サッカー部を4年間続けて警察官になった人や主将を務めながら消防士の採用試験を突破した人、強豪リーグで最後までプレーし、卒業後は消防の現場へ進む人もいる。
ただ、「体育会だから公務員に有利」と簡単にまとめるのは違う。
体力だけで決まる試験ではないし、サッカーを続けていれば自然に面接で評価されるわけでもない。筆記、論作文、面接、職種によっては体力試験まで、別の準備が必要になる。
大学サッカーを続けながら公務員を目指すなら、どんな大学を選び、4年間で何を積み上げればいいのか。一緒に考えていきたい。
INDEX
1.「公務員」といっても、仕事は同じではない

高校生が候補にしやすいのは、主に警察官、消防士、行政職の3つだ。
試験内容は自治体や年度で違う。警察官や消防士になるために、全員が必ず取らなければならない資格があるわけでもない。
だから大学選びでは、「法学部か体育学部か」だけで決めずに、在学生が利用できる試験対策、面接指導、採用説明会があるかを確認したい。サッカー部員もその支援を使えるかは、特に気になるところだ。

2. サッカーを続けて、公務員を目指した人たち
消防士を目指す|細川柊飛さん(IPU・環太平洋大学)
MOISHで以前紹介した細川柊飛さんは、修徳高校からIPU・環太平洋大学へ進み、約20人のGKが競う環境でトップチームに定着した。
2026年3月のインタビュー時には、将来の目標を消防士と定め、公務員試験の勉強へ軸足を移していた。部活動への参加を一部抑え、大学の専用施設で指導を受けながら試験対策に取り組み、消防団にも所属して地域活動を経験していた。
細川さんは高校生の頃から、「消防士を目指せるか」を大学選びの条件に入れていた。そこまで明確になっていればいいが、まだ決まっていない高校生も多いと思う。入学時に進路が決まっていなくても、競技を続ける中で将来像を固めていけるのは、大学の4年間があるからこそだ。目標が決まったら、サッカーと同じ熱量を試験勉強へ振り向ける時期も必要になる。
IPUには、公務員受験を支援する「立志会」があり、警察官、消防士、行政職などを目指す学生が学んでいる。志望校が定まってきたら、こうした支援も絞り込むための一つの材料になる。部活動を続ける学生が、実際にどう利用しているかまで確認したい。
細川さんの事例以外にも、さまざまな大学で実際に大学サッカー部で活動を続けながら、公務員試験を突破した先輩はいる。警察官になった人もいれば、3年次に学年代表、4年次に主将を務め、そのまま消防の道へ進んだ人もいる。法学の授業と部活を両立し、消防職に合格した実績もある。
公務員を目指しながらサッカーに打ち込むのは、簡単ではない。それでも、両立してきた先輩はいる。
3. 公務員就職に強みを持つ大学例
公務員に強い大学を探すと、多くの就職者数が目に入る。ただし、その多くは大学全体の数字だ。サッカー部で活動しながら公務員になった先輩がどのくらいいるか、どう両立してきたか。練習参加やオープンキャンパスでは、そこも聞いてみたい。
日本文化大學|警察官を目指す環境
日本文化大學では、2026年3月卒業生のうち、警察官への就職者が90名、警察官以外の公務員への就職者が27名となっている。警察官の就職実績は17年にわたり日本一となるなど、公務員就職にかなりの強みを持つ大学だ。警察官を目指す学びと、サッカーを続ける環境が同じ大学にあるのは、進路を考えるうえで分かりやすい。
サッカー部も近年急速に強化を図っており、恵まれた環境と豊富なスタッフ陣を擁し、上位リーグへの昇格を続けていることにも注目してほしい。
国士舘大学|警察・消防の大きな実績
国士舘大学では、令和6年度の警察官・消防官への就職者数が合計228名となっている。消防官については、全学部向けの約9カ月の対策講座に加え、元消防官の管理職らによる小論文・模擬面接指導もある。警察・消防への就職実績は、全国でも有数だ。
また、体育学部だけでなく、法学部や政経学部などからも警察・消防へ進んでいるため、大学全体として、力を入れている様子が見て取れる。
ただし、サッカー部は現在、関東1部で首位を走り、夏の総理大臣杯でも準優勝した超強豪だ。部員数は多いものの、入部や入部後の活動がたやすいわけではないので、そこは把握しておきたい。
大阪体育大学|競技を続ける学生と公務員
大阪体育大学では、令和7年度の公務員試験合格者が延べ111名となっており、内訳は警察52名、消防46名、その他13名。学生の7割以上がクラブに所属し、警察・消防などで働く卒業生のネットワークもある。
また、以前のマガジンでも紹介した通り、体育教員免許の取得も可能だ。公務員や教員を考えている高校生にとっては、候補の一つになると思う。
サッカー部は関西の強豪だが、自力入部も可能になっている。サッカーを続けたり、学生スタッフとして関わったりする門戸は開かれている。
鹿屋体育大学|警察・消防だけではない
鹿屋体育大学の令和7年度卒業生の進路では、一般行政・団体等が9名、警察・消防・自衛隊・刑務官等が27名となっている。過去3年間の主な進路には、都道府県警察や消防本部に加え、県庁や市役所も挙がっている。
大学サッカーから公務員というと警察・消防に目が向きやすいが、行政職も選択肢になる。地域スポーツ、教育、防災など、競技経験や大学での学びを地域に返す仕事もある。
サッカー部は九州の強豪だ。国立大学で、スポーツ推薦の枠はかなり限られるが、自力入学で挑戦する道もある。「国公立」を考えている高校生はチェックしてみてほしい。

4. 面接で問われるのは、「体育会でした」の続き
サッカー経験は、話し方次第で強みになる。
「体力があります」「協調性があります」で話を終えてしまうのは、もったいない。大切なのは、大学の4年間、サッカー部での活動を通して何を学んだかだと思う。
・出場できない時期に、チームへどう関わったか
・意見の違う相手と、どう合意をつくったか
・怪我や敗戦のあと、行動をどう変えたか
・後輩やチームメイトのために何をしたか
・地域活動や試合運営で、誰とどう関わったか
公務員は、住民や同僚、関係機関と一緒に動く仕事だ。勝った経験はもちろん、うまくいかなかった場面で何を考え、どう行動したかも話せるようにしておきたい。そこに、仕事でも生かせる経験があると思う。

5. 大学を比べるなら、この5項目

「公務員の合格者が多い」と「自分がサッカーを続けながら支援を使える」は、同じではない。
気になる大学を3校選んだら、大学公式の数字、サッカー部の入部条件、卒業生の個人事例を分けて確認してみよう。分からないことがあれば、LINE相談窓口へ連絡してほしい。
大学サッカーを通じて得た経験を、誰かの暮らしを守る仕事へつなげる道もある。



